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2013年11月 8日 (金)

法は法、情けは情け

要介護の方々の口腔ケアをされている歯科医院のスタッフさんとの話の中で、自宅で介護されていたり施設でも頻繁に面会に来る家族の方は「出来る事は何でもして下さい」的なスタンスでケアに対して大変感謝され、細かい注文も無く良いケアが出来るそうです。ところが、施設に入っている方で滅多に面会に来ない家族の方でも、どうしても確認をする事が出てくるそうで、そんな時家族に連絡すると 殆ど人は「あまり触らないで下さい」のスタンスで感謝どころか、あれこれ文句を言ってくるそうです。う~ん 身近に生活しないと気が付かない事が有るんだろうなと思いました

 さて、先月そんな介護の現場で考えさせられる 要介護の家族を抱える人にはたまらない判例がありました。

認知症老人が列車にはねられ死亡→地裁が遺族に720万円支払い命令
「行動を一瞬も目を離さず監視することなど不可能」…遺族から怒りの声

http://mainichi.jp/feature/news/20131016dde012040026000c.html
「ある判決」が介護の現場に衝撃を広げている。91歳(当時)の認知症の男性が線路内に入り、列車にはねられて死亡した事故。裁判所は遺族に対し「注意義務を怠った」として、鉄道会社に720万円を支払うよう命じた。認知症の老人は閉じ込めておけというのか−−介護関係者からはそんな怒りの声すら聞こえてくる。
重い認知症だった父に責任能力がないことはJRも分かってくれると思っていた。ところが、専門医の診断書ではないから疑いがあるなどと言ってきた」と長男。事故 から1年後、JRから内容証明郵便で正式な賠償請求が届き、その後、裁判所を通じて不動産の仮差し押さえを申し立ててきた。
認知症の人はどこかに行きたい、ここを出たいと思い立ったら必死に出て行く。家族がどれほど注意していても徘徊(はいかい)は起きてしまう。
判決は男性がどのように事故現場の線路に入ったかは「不明」として判断を避ける。

情に流されたら法事国家としては成立しませんが、
なんかねぇ、いたたまれないですね。態々引っ越ししてまで 介護を家族ぐるみでしているのに こんな重い判決が下りて、ほったらかしで施設に任せっぱなしの方が良かったと思わせる判決ってどうよ と言いたくなりますネ。
一瞬のスキに出たとの家族の言い分が紹介されていましたが、24時間拘束は出来ない訳で それを「見守りを怠った」(監督責任)と言われたら 家族は辛いですネ。
ただ、JR東海の言い分も分からないでは無いですし。保険を掛けろって言っても、鉄道の人身事故の保険なんて引き受ける会社もなさそうですし。
難しい問題ですネ。

こんな裁判こそ 裁判員裁判の出番じゃないでしょうかネ。
大岡忠相や遠山金四郎ならどんな判決にしたでしょうか。

とかくに人の世は住みにくい

おまけの話
まぁ昔みたいに 踏切に人がいれば こんな事故は起こらなかった可能性はありますナ。
あと気に成ったのは「入った経路が不明」でも事件か事故って決めれるんですね。
因みにある私鉄にJ-CASTニュースが取材したところ、飛び込み自殺による損害額の平均は200万円ほどで、請求は100万円にいかないことが多いと答えていたそうです。何故私鉄と国鉄でこんなに賠償額に差が出るんでしょうか。

最後に厚労省の方針を張っておきます
認知症になっても、本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で暮らし続けることができる社会の実現を目指す
http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/dementia/dl/houkousei-02.pdf

家事や仕事をやりながら家族ぐるみで自宅で介護をするのは、かなり大きなリスクを背負う事が分かりました。

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コメント

裁判所って庶民の味方ではないようですね。家族がJRの管理に手落ちがあったとして訴えたらどうなりますかね。庶民の感覚からはかけ離れていますね。親孝行が仇になってしまうんですかね。やりきれない気持ちです。

投稿: ゆ~ | 2013年11月 8日 (金) 22時23分

 世の中というもの(日本の場合)、認知症や、発達障害身体障害者とうの扱いや理解は
かなり遅れています。
大手メディアも、障害者が被害者の場合大きく報道しますが、その逆のが合い、その報道はタブーという習慣があるようです。
刑務所服役中の人たちに三割が障害者との調べもあります刑務官も、この人たちがどうしてこんな重い罪を犯したのか首をかしげるばかりで福祉施設で対応できないものかと考える人もいるとか。
 しかし福祉施設は、罪を犯したのであればそれは刑務所でしょうと、結局受け皿のタライ回し、現場、現状というのを直視していません。

新潮文庫『累犯障害者』山本譲司著
この本かなり興味深いです。

投稿: らすこーりにこふ | 2013年11月 8日 (金) 22時24分

ゆ~様コメントありがとうございましたm(_ _)m
このようなケースは通常は遺産放棄で終る事が殆どだそうですが、今回のケースでは遺産がそこそこあったと言う報道を聞きました。
額面通りに受け取ると、取れる所から取れ ならちょっと安直な気がします。
今回の話は高齢の親を持てば他人事では無いだけに 家族側に感情移入してしまいました。

らすこーりにこふ様コメントありがとうございますm(_ _)m
『累犯障害者』山本譲司著ちょっと立ち読みしてきました。
なんか これも切ないですね。
結局心神喪失者のふりが出来る人が無罪に成って本当の人は実際には刑を受け服役しているという事ですか。
論理的に反論する能力を持たないため、警察のシナリオどおりの調書が取られ、犯罪者に仕立て上げられた障害者もいたと書かれていますね。
セーフティーネットが機能していない我が国の闇は深いですね。

投稿: 45net | 2013年11月 8日 (金) 22時52分

おはようございます、今朝の横浜はナンカ寒いですもっとも11月の半ば近くだとコンナ気温なのでしょうが私の風邪は一向にヨクなりません

今日のお話は重くて身に詰まされます、我が家にも86歳のオフクロがいますのでとても他人事には思えません、幸いまだ痴呆症にはなっていませんが(軽い物忘れはアリ)これから先を考えると暗くなります
現在は介護の必要もなく暮らしていますがこの先息子の私としては今の生活のまま見届けてやりたいと願っています
このような事件が報道されると認知症患者を抱えた家族の救済にもっと力を入れて欲しいと願います

この裁判は最高裁にまで行くのでしょうね、最高裁の判決がどのようなモノになるか、気になります

投稿: John | 2013年11月 9日 (土) 10時23分

こんにちは JOHN様 いつもコメントありがとうございますm(_ _)m
こちらも朝から寒いです。来週は12月の気候らしいので体調管理が大変ですね。

これからは どこも同じ様な感じでしょうから 他人事ではありませんね。
現在65歳以上が24%で、その半分がいわゆる後期高齢者の75歳以上だそうですから。
なんでも説によると認知症の高齢者を24時間ケアしようとすると3人の大人が必要だそうです。
う~ん とてもそんな余裕はどこも無いでしょうから 行政が何とかして欲しいですね。
例えば公務員の平均年収800万の使い道は考えるとか、民間平均の300万や英、独、米、仏の公務員平均の300万に近づけて 半分にすれば 倍の人が雇えますからね。なんか そんな工夫をして欲しいです。

ご指摘のように最終審まで行くとなると、最後はやっぱり憲法に成りますから ちょっと流れが変わるかもしれませんね。
ただマスゴミはスポンサーのJRの悪口は書かないですから あまり世論で盛り上がらないのが残念です。
尤もJRも被害者なんですが…。

投稿: 45net | 2013年11月 9日 (土) 13時04分

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