国鉄には良い昭和が詰まっていた
豪華な寝台列車「ななつ星九州」が大人気だとか、なんでも来年夏まで予約で埋まっているそうですネ。
世の中 景気が良い人も多い様です。
そんな寝台列車も今は新幹線が日本中に整備されつつありますから、ブルートレイン“さくら”“あさかぜ”とかは今は無く、2015年までに全面廃止されるそうです。
う~ん、超豪華な寝台特急だけでなく スローで庶民的な寝台列車(ブルートレイン)という選択肢もあってよいと思うんですけど。
乗車率の低下が原因らしいですが、長距離夜行バスが大人気なんだから、やりようによってはニーズは有ると思うんですがネ
さて、そんなブルートレイン全盛の昭和40年代を舞台にした漫画「カレチ」(モーニング)ってご存知ですか。
懐かしくて読んでいたのですが、今年の夏の終わりに完結してしまいました。
鉄道を(国鉄)を舞台にした物語は珍しく、また名作と思っていたので寂しいですネ
国鉄民営化の時のゴタゴタや親方日の丸の赤字体質とかも有ったので、内部の特に社員のモチベーション等について、
私はこの物語を読むまで“大いなる誤解”をしていた事に気づきましたネ。
題名の「カレチ」って、「客扱専務車掌・旅客列車長(りょかくれっしゃちょう)」の(鉄道)業界の呼び名だそうです。有り体に言えば(特急や寝台列車などの長距離列車に乗務する)車掌さんです。
主人公である荻野憲二もその新米“カレチ”として、乗客や乗員・駅員達と関わり、日々成長しながら過ごしています。
物語が進んでいくうちに、 懐かしさだけでなく、何と言うか昭和の良い所がにじみ出ていて 良い時代だったなぁ と
国鉄は色々なポジションで職人芸を持ったプロが多数存在したんだと 再認識しましたネ。
高度成長期の国鉄の現実と夢を持って働く国鉄マンの昭和の情が拮抗し、職人芸を見せながら最善の結果を導き出していく展開です。
なんと言うか、合理化を進めると言う事は プロフェショナルな仕事が出来る人に妥協させる事でもあるんだと。
列車火災、脱線、レール補修の放置、車両破壊、鉄道事故、最近よく耳にする不祥事ですが、昔の国鉄では多数の職人芸に守られていたんだ とも感じました。
無賃乗車の小学生を諭す話なんか、とても味わい深かったです
切符にハサミを入れてもらった事のある人ならハサミの形の違いの事なんかもわかり易く説明されています。
鉄道オタクでは無い人でも楽しみる作品です。
う~ん、ネタバレに成るので控えますが、続編は難しいのでアナザーストーリーかスピンオフとかの外伝で再連載してくれないかなぁ
おまけの話
私の母方の亡き祖父は旧国鉄マンでお召列車の運転をした事が有る事が人生の最大の自慢で、小学生の頃 良く写真と共に話を聞いたものです。
また、なんでも旧東海道の路線区間の時間短縮に貢献が有った事が認められ引退後は勲四等を頂きました。
祖父も物語に出てくるような職人芸が有ったのかなぁ なんて妄想していました。もっと話を聞けばよかった と後悔しています。
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 国鉄には良い昭和が詰まっていた(2013.12.11)
- 直木賞より本屋大賞(2011.08.15)
コメント
こんにちわ、今朝も冬晴れの晴天が続く横浜です、朝晩は寒いのですが日中陽が差す場所はホッコリしています
「国鉄」懐かしい言葉ですね、私は幼少の頃東京の五反田(JR山手線)に住んでいて山手線の線路近くにいましたのでヨク電車を見ていました、その頃はまだ「都電」も走っていましたっけ
カレチなんて言葉はどういう訳で略語にしたのでしょう「旅客列車長」ならリレチのが妥当だと思いますが
クモハとかキハなんて電車もみますがまだまだ知らない略語が多そうですね
投稿: John | 2013年12月12日 (木) 11時23分
こんにちは JOHN様 いつもコメントありがとうございますm(_ _)m
こちらは 昨日より少し冷えてきている感じです。冬用タイヤの心配する時期に来たのかもしれません。
旧国鉄マンの職人芸と自分の仕事を全うする為には殉職もいとわない人もいたんだと驚きました。
(物語の中ではノンキャリア中心でしたが)
地方公務員の様な親方日の丸のぬるま湯体質でも無かったんだと 知りました。まぁ私だけが誤解していたんですけど^^;
何と言うか、今ではデジタル化で便利になり、そんな恩恵を我々は受けていますが、そんな昭和にはなかったデジタルな便利さを当時の昭和の国鉄マンは経験と職人芸でやってのけていた様子が描かれています。なんというか 国鉄は赤字も凄かったですが、その分凄い人材も育っていたんですね。
なんか旧国鉄を誤解していたのは祖父もを誤解していた様な気がして 亡くなった祖父に申し訳ない気がしています。
あと、技工業界もCAD/CAMが出てきましたが、まだまだ昔ながらのアナログな作業で職人芸と時間を犠牲をしている所があるので、より共感できたのかもしれません。
“カレチ”の業界用語(略語)は、ご指摘の様な気も私もするのですが、私の推測ながらリレチにしなかったのは“ニレチ”(荷扱専務車掌・荷物列車長 にもつれっしゃちょう)と間違わないようにじゃないでしょうか。
元々は鉄道無線用語だったようです。当時はWebなんてありませんから、アナログで対処する為の策だったんでしょうね。
あとクモハとかキハの説明ですが、これも頭文字ですね
例えば、“ク”は制御車(運転台がある・たいてい列車の先頭車両でかつては駆動車と読んでいた為)、“モ”はモーター駆動を表し、“ハ”の部分は使用目的を意味しているそうです。因みに昔は車両の等級が1等から3等まであり、それぞれに「イ、ロ、ハ」が割り当てられていたそうで、“ハ”は普通車を表すみたいです。
つまり、クモハは『運転台とモーター駆動を持った普通車』という意味になりますかね。
まぁ我々のマルモとかFCK(今はFMCですが)と同じですかね^^;
投稿: 45net | 2013年12月12日 (木) 12時10分